愛犬には、健康で長生きをして欲しいと家族であればだれもが願うものです。では、愛犬の「健康」とはどのよう状態を意味するのでしょうか?毎日ご飯を完食する事でしょうか?原器に散歩に行く事でしょうか?愛犬の健康とは「病気の発症を予防できている」状態をいみするのではないでしょうか?
日本で一番発症率の高い病気は「肥満」です。
実は、日本で一番発症率の高い愛犬の病気は「肥満」と言われている事をご存知ですか?日本で飼育されている犬の実に6割近くが「肥満」状態にあると言われています。「肥満」と聞くと、病気というほどに重く捉えずに、ダイエットをすればすぐに改善出来ると軽く考えられがちですが、実はとても怖い病気なのです。
肥満が引き起こす病気やケガ
今や犬達も人間同様に「生活習慣病」を患い、「癌」「糖尿病」「肝臓疾患」「心筋梗塞」などといった病名を聞いた事がある方も多い事でしょう。これらの原因の一つに「肥満」があると言われています。ややぽっちゃりな体系も愛嬌があってかわいい、ほほえましいと油断していてはいけないのです。病気の心配をする事なく、元気に生活できるのは愛犬が若い時期だけです。シニアになると、肥満である事を理由に何かと不都合が生じるものなのです。また、肥満になる事で、体型のバランスが崩れてしまい、本来の骨格では支えきれないほどの体重になってしまう事でもあります。
例えばチワワやポメラニアン、パピヨンなどの犬種によくみられるケースです。細い前足の骨は肥満になってしまった体を支える事ができません。自宅のソファーから飛び降りた瞬間、飼い主の抱っこから降りる瞬間、歩道橋を下る時、思わぬ瞬間に骨折をしてしまう危険性があるのです。肥満は愛犬にとって「百害あって一利なし」そのものなのです。
食事の管理は完璧なのに、なぜ肥満に?
最近では、愛犬の食事の管理に何かと注力されている飼い主さんはとても増えています。良質なドッグフードを選ぶ事はもちろんですが、毎食手作りをされている方もいる事でしょう。日々の健康管理、栄養バランスには十分配慮しているつもりが、気が付けば肥満に・・・なぜこのような事が起きてしまうのでしょうか?
実は、ドッグフードのパッケージに書かれている「給餌量」は、犬がその骨格から算出して必要とされる運動量を十分にこなした場合を想定してカロリーが計算されています。しかし、犬の運動量というものは、私達人間が考えている以上にハードなものです。例えば、コーギーで考えてみましょう。コーギーは海外の広大な牧場で丸一日運動をする事を前提に生み出された犬種です。体は小さいながらも、とてもタフで、筋肉量の多い犬種です。このコーギーにとって、飼い主と一緒に朝夕ゆっくりと散歩をする事は、気分転換にはなるものの、運動とはいえないレベルなのです。同様にプードルやヨークシャーテリア、ダックスもみな元は猟犬種ですから、一日中活発に運動できるだけの体力を持っています。いつも家の中で昼寝をして過ごしているようでは、気が付けば運動不足になってしまっています。
犬にとっての運動とは「全力」を出し切る事だと言われています。飼い主と一緒に、飼い主のペースで歩く事には運動という意味合いはなく、ドッグランに連れてゆき、犬同士で15分もじゃれあい、走りまわる事の方がより効果的な運動になるのです。つまり、日本の「室内飼育」というスタイルでは、大抵の犬が運動不足になってしまっているのです。メーカーの考えている「運動量」と実際の犬の「運動量」に大きな開きがある以上、記載されている「給餌量」の通りに食べさせていては、肥満になっても仕方がないといえるでしょう。
ダイエットフードと食事の減量効果があるのは?
最近、ちょっと太り気味かな?ダイエットをさせようかな?と思った時、2つの選択肢が思い浮かぶでしょう。ダイエット用のドッグフードに切り替える方法と今の食事のまま分量を減らす方法です。このどちらの方法も、ダイエットという目的は同じですから、肥満の程度に合わせて上手に使い分けてゆきましょう。
まず、ダイエット用フードを利用する場合です。この場合は「腰のくびれがある」事が目安です。愛犬の背中を上からみた時に、腰のあたりにくびれがあるようであれば、ダイエットフードに切り替える事で、摂取カロリーを抑え、体形の現状維持が出来るでしょう。毎日ドッグランに連れてゆき、十分な運動量を確保する事が難しい場合には、平日はダイエット用フードでヘルシーな食事を続け、週末や運動量に応じてフードにトッピングを加えたり、おやつを活用してもいいでしょう。
一方で、すでに腰のくびれがなく、場合によっては首周りの肉付きが気になるほどの場合には、食事の減量という即効性があり、確実に減量できる方法で取り組みましょう。食事はまずいつもの量の10%を減らしてゆきます。一カ月ほど継続し、体重に変化が見られた場合にはそのまま継続し、効果がみられない場合には15%ほどの減量にするなど調整をしてゆきましょう。急激に食事を減らしてしまうと、ストレスや脱毛などのトラブルが起こる場合もあるので、あせらずゆっくりと取り組みましょう。また、運動によるダイエットは、足腰に負担がかかる危険性があるので、体重が適性値に戻ってから、徐々に運動量を増やせるように取り組んでゆくとよいでしょう。愛犬の肥満は万病の元です。元気に長生きを目指して、頑張りましょう。
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