病気は早期発見が大切です!
猫のいいところといえば、マイペース、常にクールフェイス、人間とのちょうどいい距離感ですね。散歩も不要、お手入れも不要、食事も置き餌でOKともなれば、一人暮らしの相棒としてもピッタリです。でも、そんな猫だからこそ、実は体調が悪いという時でもなかなか気づいてあげられないものなのです。猫の健康、長生きの為には病気の早期発見、早期治療がとても大切です。それは飼い主として当然の事と誰もが思うのでしょうが、実際には病気の症状が現れ、病院へ駆け込んだ時にはもう・・・という事が非常に多いのです。
では、愛情をもって毎日接しているのに、手遅れという事が起きてしまうのでしょうか?
① 食欲の管理が難しいから
猫は犬と違って、食事に関してとても気まぐれです。食事を用意しても食欲不振で食べないのか、単なる好き嫌いなのかの判断がつきにくい上に、常に皿に食事を入れた状態で、減ったらつぎ足すという方法で食べている場合も多く見られます。中には、日中まるで食事をせずに過ごし、夜に家族が寝静まってから完食するという生活をしている場合もあるほどです。ですから、病気の初期症状である「食欲不振」をつい飼い主が見逃しがちになってしまうのです。これは、シニアになるとより顕著にみられるようになり、中には一日中何も口にしない日もあれば、翌日は勢いよく食べるようになったりと、非常に食べムラが目立つようになります。でも、食欲がない事は病気の進行具合の判断材料としてとても重要な項目です。食欲がどの程度あるのかは、検査をしても数値で結果を見る事が出来ないので、飼い主の判断のゆだねざるを得ないのです。共に暮らすうえで、手がかからないペットと言われる猫ですが、小さなころから食事は用意されたらすぐに食べる事、食べ残した分はすぐに片づけてしまう事、食事を何日も置いたままにしない事を習慣づけてゆきましょう。
② 排便、排尿の管理が難しいから
やはり病気の兆候としいて、とても大切なことではあるのですが、食事と同様に排便、排尿の管理が難しいことも猫の特徴です。犬の場合、下痢、便秘の症状が現れる事ですぐに飼い主が異変に気が付く事ができるのですが、猫の場合トイレで砂を掛けてしまう事もありなかなか異変に気が付きにくいものです。最近の猫砂はとても性能がよく、排尿を瞬時に吸収し、臭いも残りません。排便も水分を砂が吸収し、固めてしまうので下痢をしていたかどうかさえ判断が難しい場合もあります。しかし、トイレは健康チェックの場としてとても重要な場です。日ごろから、毎日同じ回数の排便、排尿があるか、量や回数に異変がないか、トイレの際に痛みを訴えるような鳴き声がないか、トイレをする事自体をためらうような仕草が無いかを気にかけてあげましょう。また、健康面の異変にすぐに気が付いてあげられる様に、猫砂は色のついていないもの(白など)がよいでしょう。もし排便や排尿に血液が混入している場合でも、色付きの猫砂の場合、見逃してしまう危険性があるので気を付けてあげましょう。
③ 運動量の変化に気づきにくいから
猫は一日の大半を昼寝ですごしているので、活発に動き回る時間はごくわずかに思えるでしょうが、病気の兆候として運動量の低下という症状が見られる場合もあります。特に内臓機能の病気が起きている場合、日ごろはキャットタワーの上段ですごす事が多かった性格の猫が、いつも床ですごす様になった場合などです。人間でも、腹痛を抱えていたら、高いところへ飛び上がるも苦痛ですから同様です。また、一方で今度はキャットタワーの上や静かに過ごせる自分専用のスペースから出てこないという事もあります。体が弱っている事で警戒心が増してしまい、一人きりになろうとするのです。この様に、日ごろに比べて運動量が減るような様子が見られた場合には、念のため通院を考えてあげましょう。
④ 屋外からの帰宅後に見逃してしまうから
最近は少なくなりつつありますが、猫が自由に屋外へ出かけられるような生活をさせている場合があります。屋外へ一歩でたら、他の猫との縄張り争いや交通事故など様々な危険にさらされることになります。もちろん猫エイズなどの病気の感染も生じるでしょう。でも、猫はどんなに屋外で怪我をしていても、帰宅するまではなんとかクールフェイスを保つものです。帰宅後、部屋の隅の方や家具の裏など自分だけでひっそりと体を休める事が出来る場所へ入り込んでしまう場合もあります。これでは、もし瀕死の状態であっても、飼い主が気がついてあげられない場合もあるでしょう。猫は健康管理、リスク回避という意味からも完全室内飼育がよいでしょう。この様に、人間と適度な距離を保つがゆえに、猫の病気の初期症状はつい見逃してしまいがちなものです。シニアを呼ばれる世代になったら特に日ごろから異変の有無を気にかけてあげましょう。
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